ダークエルフの口づけ [本]
ファンドリアという混沌に満ちた世界を舞台にしたファンタジー小説です。
ファンドリアは邪神(ファラリス)を認める暗黒の国で、策略がうずまき、隙あらば相手を蹴落とそうと誰もが己の利益のためだけに行動するそんなダークな世界です。そこでは誰が正しくて、誰が正しくないのかわかりません。
小説もそんな世界観を反映して、「これでもくらえ!」と言わんばかりに意表をつくどんでん返しが毎回襲ってきます。
主人公となる新米警備兵のアマデオ君が青臭く、1巻はちょっと好きになれない話でしたが、2巻あたりからベラ(アマデオの命の恩人であり、アマデオの憧れの人)の冷徹さに拍車がかかって物語がヒートアップしていき、3巻ではあっと驚く設定や今後に繋がる伏線のオンパレードで次巻が楽しみで仕方ありません。
また、セリフがかっこいいんです。3巻で一番気に入ったのはこのセリフ。
「自分の責任だと思っていた方が楽なんですよ。生きるのも、仕事をするのも。」
1巻、2巻あたりでは「セリフが浮いてるなぁ」と思うこともあったんだけど、3巻目くらいになるとばっちりはまってきました。著者は確実に筆力を上げてきていますね。
ダークエルフの口づけは「死の宣告」を意味するそうでなので、最終巻でアマデオ君は死んじゃうんじゃないかとドキドキしています。あぁ、でも口づけされてないか。
でも、多分ペニートは死ぬんだろうなぁ。好きなキャラなので、ペニートにスポットライトを当てた短編が読みたいです。お願いです。艶っぽいペニートの話を書いてください。川人せんせ。
あと、ファンタジーでない作品も読みたいです。ミステリーを書いてほしいなぁ。楽しみにしてます。
ダークエルフの口づけ 3 (3) (富士見ファンタジア文庫 21-83 ソード・ワールド・ノベル)
- 作者: 川人 忠明
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2007/07
- メディア: 文庫
ダークエルフの口づけ―ソード・ワールド・ノベル (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 川人 忠明
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2006/08
- メディア: 文庫
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